教室長コラム【橋本 水木担当】

  • 2018.06.06

GWに、実家に帰りました。テントを担いで山へ行こうかと思っていたのですが、母が電話口で「小さい子を見ると、昔を思い出すわ。あの頃が一番幸せだった」などと言うので、テントが必要以上に重くなってしまったわけです。行くよ、と言うと「じゃあついでに、最近つけたお風呂場の手すりの具合を見てほしい」と、いつの間にかよけいな注文が増えています。お見事、と山へ行くのを諦め、代わりに工具を担いで埼玉の実家へ向かいました。
私の母は下半身に麻痺があり、10年ほど前から車イスで生活をしています。麻痺が起きた直後は、激しい痺れのため、わずかに体を動かすことさえできませんでしたが、リハビリを重ねて次第に回復し、今ではたまに台所に立てる(といっても車イスですが)までになりました。母の麻痺が和らいで、行動範囲が広がるにつれて、家の中のバリアフリー化も進んでいきます。そこで今回は、お風呂場につけた手すりの位置を調整することになりました。ビスを打ち直して手すりの調整が終わると、今度は父から「ここを切り取りたいんだが」と相談を受けました。どこかと思えば、台所シンク下の収納です。
母が台所に立つ際、車イスのままシンクに寄ろうとすると、その下の収納が邪魔になって、蛇口に手が届きません。リフォームを頼めば数十万円はかかるし、今では父が主に家事を行っているため、そこまですることはないだろう、ということでずっとそのままになっていました。車イスに干渉する、その収納の一部だけを切り取りたい、ということです。業者じゃないんだけどなあ、と思いながらも、仕上がりを気にしなければすぐにでもできそうだったので、やることにしました。翌日、父とホームセンターで電動ノコギリなどの必要な道具を揃えて、キッチンの改修をしました。結果、仕上がりは切りっぱなしの粗いものになりましたが、機能としては十分に車イスが動ける台所ができ上がりました。車イスの収まりを確かめながら「毎日台所に来るのが楽しみ」と喜ぶ母の笑顔を見て感じたのは「母の喜ぶことは、いくつになってもしてあげたい」ということです。連休後もしばらく、喜びのショートメールが母から届き、私も嬉しくなりました。
さて、先日小学生クラスで国語大会を行いました。国語がテーマのゲーム大会です。優勝チームには花まる特製オリジナル鉛筆が、各チームのMVPにはMVPシールが授与されます。あるチームで活躍した4年生のY君は、初めてMVPシールをもらうと、帰るときもそれを手に持ったまま、意気揚々と教室を出ていきました。「なくさないようにカバンにしまいなよ」と言っても聞きません。気持ちはすでに家に帰ってお母さんに見せているかのようです。子どもはいつになっても母の喜ぶ顔が見たくて頑張っているのだな、と改めて感じました。皆様も、花まるの体験授業、園のイベントや小学校の参観日で、お子様が何かができたとき、真っ先にお母様の顔を振り返って目が合う瞬間を覚えているのではないでしょうか。母の喜びに向かって生きている、その気持ちを受け止めてもらうだけで、「子ども」たちは満たされて毎日を送れるのだと感じます。
花まる学習会 辻堂教室(水・木担当)橋本一馬

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