【池田コラム】『答えが“ある”問題と“ない”問題』2018年5月

  • 2018.05.10

先日、小学校3年生から6年生を集めて「こども哲学」という教室を開きました。こども哲学は「皆で問い、考え、語る」場です。学校の授業で学ぶ多くの問題には答えがあります。しかしながら、社会に出て仕事をするようになると、ほとんどのことには答えがありません。とはいえ、子どもたちも日々の生活の中で、答えのない問題に直面していることが少なからずあると思います。友達とケンカをしてしまった…、好きな人ができた…、でも、どうすればいいのだろう…。どれも人生において大切な問いかけです。その問いの答えは教科書には載っていないのです。子どもの頃から考える癖をつけ、何事にも自分の考えをもって能動的に取り組む人になってほしい。自分の考えだけでなく、周りの人の考えも聞いて、より豊かな思考の土台を築いてほしい。「こども哲学」の場がそんなきっかけになってくれたらいいなという思いで始めました。

今回は「モテる人ってどんな人?」というテーマからスタート。「モテる人」と聞いて、皆さんはどのような人を思い浮かべるでしょうか。子どもたちからは、優しい、カッコいい、勉強ができる、爽やか、頭がいい、心がキレイ、走るのが速い…など、たくさんの意見が出てきました。すると、一人の子が言いました。「どれか一つだけあればモテるのかな?」。全員が考えます。「勉強ができても、性格が悪かったらな~」「頭が良かったらいいんじゃない?」それぞれの考えが飛び交う中、また別の子が言いました。「そもそも『頭がいい』ってどういうことだろうね?」。何か思いつけば、手を挙げて発表する。これを繰り返していきます。
今回は「モテる」というテーマから、次のように話題が発展していきました。
モテる要素は一つでいい?→頭が良いと勉強ができるは違うの?→いつまで勉強すればいいのだろう?→大人まで?→みんなはどんな大人になりたい?→優しいってなんだろう?→なぜ、みんな優しい方が良いと言うのに、事件や戦争が起きてしまうのだろう?→なぜ、人は人を恨むのだろう?→4月から新しい環境になるけど、どうすれば友だちをつくれるのだろう?
問い、考え、語り合いましたが、結論は出ませんでした。でも、それでいいのです。なぜなら、結論を出すことではなく、“考える”こと自体が目的だからです。あっちへこっちへと話題が移り変わるのも、こども哲学の面白いところです。
こども哲学が終わったあとに子どもたちに感想を聞いてみました。「普段はこういうことを話し合わないので、体験して良かった」「伝えたいことがまだあったから、もっとやりたかった」「自分では考えつかなかったことを聞くと、考えって無限だなーと思った!」と人それぞれ感じることは違いましたが、普段はなかなか話せないことを語り合う時間を楽しんでいました。

子どもたちは、この先たくさんの“答えのない問題”に遭遇することでしょう。その時、どうすればいいか。まずは考えてみることから始まります。そして自分の考えだけでなく、周りの人の考えを聞くことで思考の幅が広がっていくでしょう。
4月から新学年です。より多くのことに疑問をもち、問い、考えてほしいと思います。

池田直人
辻堂教室 金曜日・土曜日 担当

花まる学習会辻堂教室

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